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あかちゃんの歯のお手入れはいつから?歯が生える前から始める虫歯予防
2026.09.11
乳歯が生える前から始めたいお口のケア
あかちゃんのお口のケアは、歯が生えてから始めるものと思われがちです。しかし、歯が生える前から口のまわりや歯ぐきに触れられることに慣れておくと、歯が生えた後のケアを始めやすくなります。具体的なお手入れ方法や開始時期は、あかちゃんの発達や口の中の状態に応じて異なるため、医師や歯科医師などに相談しましょう。
また、乳歯は永久歯に比べて虫歯の影響を受けやすく、進行しやすい傾向があります。乳歯を虫歯から守るためには、歯が生える前からお口のケアについて知り、歯が生え始めた時期に適切なケアを始めることが大切です。本記事では、乳歯の特徴や虫歯の原因、年齢に応じたお口のお手入れ方法についてご紹介します。
歯の基本知識
歯の基本構造

| ❶エナメル質 | 歯の表面を覆っている組織で、人間のからだの中で最も硬い組織。 |
| ❷象牙質(ぞうげしつ) | 歯の大部分を占めている中心的な組織。歯の表面からの刺激や温度変化に敏感。歯髄を保護している。 |
| ❸歯髄(しずい) | 歯の神経や血管が通っている部分。 |
| ❹セメント質 | 歯の根の表面を覆っている組織。 |
乳歯と永久歯の違いは?
- 歯全体に占める歯の神経(歯髄)の割合が永久歯より大きい
- 歯の神経を保護する象牙質・エナメル質が永久歯より薄い
- エナメル質や象牙質が薄く、虫歯が進行しやすい
- 糖分を含む飲食物をとると、口の中の細菌が酸をつくりやすい
乳歯は、永久歯よりもエナメル質や象牙質が薄いため、虫歯が発生すると進行が早い傾向があります。また、虫歯のなりやすさには、歯の特徴だけでなく、飲食物の種類や摂取頻度、口の中の環境、毎日のケアなども関係します。
そのため、乳歯が生え始めたら、歯みがきなどのケアを習慣づけ、定期的に歯の状態を確認することが大切です。
虫歯の発生と影響
虫歯は、口の中にいる細菌が、食べ物や飲み物に含まれる糖分から酸をつくることで始まります。その酸によって、歯の表面にあるエナメル質からカルシウムなどが少しずつ溶け出し、歯が弱くなっていきます。この状態を「脱灰」といいます。
虫歯には、口の中にいるさまざまな細菌が関係しています。
ここでは、虫歯の発生や進行に関わる代表的な細菌を2つご紹介します。■ストレプトコッカス・ミュータンス菌
一般に「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌です。歯の表面に付着した歯垢(プラーク)の中で糖分から酸をつくり、歯の表面を弱くする働きがあります。虫歯の発生に関わる代表的な細菌の一つです。■ラクトバチルス菌
酸をつくる性質があり、進行した虫歯の部分から見つかることがあります。虫歯の進行に関わる細菌の一つです。
虫歯になりやすさは、細菌だけで決まるものではありません。歯の強さ、糖分を含む食べ物や飲み物の種類、食べる回数、唾液の働き、歯みがきなど、さまざまな要因が関係しています。
乳歯の虫歯の影響
乳歯の虫歯をそのままにすると、痛みや食べにくさにつながることがあります。また、虫歯が重症化したり、乳歯を早く失ったりすると、永久歯の生え方などに影響する場合があります。
- 食事や発育に影響することがある
虫歯が重症化すると、痛みなどで食べ物を噛みにくくなり、食べられるものが偏ることがあります。その結果、食事の量が減ったり、栄養のバランスに影響したりする場合があります。
- 食事を楽しみにくくなることがある
虫歯による痛みや噛みにくさから、食事を楽しみにくくなることがあります。
- 歯並びや永久歯の生え方に影響することがある
乳歯を虫歯などで早く失うと、周囲の歯が動いて永久歯が生えるスペースが狭くなることがあります。その結果、永久歯の生え方や歯並びに影響する場合があります。
- 永久歯の色や形に影響することがある
乳歯の虫歯が重症化すると、永久歯のもとに影響し、永久歯の色や形に変化が生じることがあります。
- 永久歯も虫歯になりやすくなることがある
虫歯になりやすい口の中の環境や生活習慣が続くと、永久歯も虫歯になりやすくなることがあります。乳歯の時期から、歯みがきや仕上げみがき、糖分を含む飲食物のとり方に気をつけることが大切です。
あかちゃんの虫歯予防
歯が生える時期と虫歯予防

歯が歯ぐきから見え始める時期は、早いあかちゃんで生後6か月ごろです。母乳やミルクにも糖分が含まれており、離乳食が始まると、食べ物や飲み物から糖分をとる機会も増えます。歯が生えた後は、口の中の細菌が糖分から酸をつくり、歯の表面を弱くすることがあります。
糖分を含む飲食物をとると、口の中は一時的に酸性に傾きます。唾液には酸を中和したり、口の中を洗い流したりする働きがありますが、虫歯予防には、歯が生えた後の歯みがきや飲食習慣にも気をつけることが大切です。
妊娠中のママの歯のケア
ママは、妊娠がわかったら歯科検診を受け、虫歯や歯ぐきの状態を確認しておくと安心です。妊娠中は、つわりで歯みがきがしづらくなったり、食生活が不規則になったり、ホルモンバランスが変化したりすることで、虫歯や歯周病などのトラブルが起こりやすくなる場合があります。気になる症状があるときは、歯科医師に相談しましょう。
あかちゃんの歯のお手入れに関するママたちの疑問にお答えします
あかちゃんの歯が生え始めると、「唾液が多くても虫歯になるの?」「母乳でも虫歯になる?」「歯みがきはいつから始めればいい?」など、さまざまな疑問が出てきます。また、口臭や歯の色が気になったり、歯ぐきのお手入れ方法や、寝てしまったときのケアに悩んだりすることもあるのではないでしょうか。
ここからは、あかちゃんの虫歯予防やお口のお手入れ方法、歯の色・口臭が気になるときの対応、歯科医院を受診する目安について、Q&A形式で分かりやすくご紹介します。
Q1. あかちゃんは唾液が多いけど虫歯にはなる?
唾液は口の中を浄化させる効果があり、唾液が多いあかちゃんは虫歯になりにくいのではないかと思われますが、寝ているときの唾液の分泌は低下し、虫歯菌の増殖を促します。
また、唾液腺は口の底にあることから、下の歯より上の歯の方が虫歯になりやすいといえます。
Q2. 母乳で虫歯になるの?
母乳と離乳食が虫歯菌と混ざると虫歯になりやすくなります。
また、歯が生えた後に授乳の回数が多かったり、夜間の授乳が長時間・頻回に続いたりすると、唾液による歯の修復(再石灰化)が十分に行われる時間が短くなり、虫歯のリスクが高まることがあります。
Q3. あかちゃんの口臭が気になるのだけど…
あかちゃんの口臭につながる主な原因には、次のようなものがあります。
| 舌苔〔ぜったい〕(舌の表面の白くなっている部分)が汚れている | 食後のミルク・食べカス・菌などが舌に付着して、舌苔が汚れてしまっているので、口の中はお手入れシートを使用して汚れを取りましょう。 |
| よだれの臭いを口臭と勘違いをする | 気になる場合はこまめによだれを拭いてあげましょう。 |
| 水分が足りていない | 口の中が乾いている場合、唾液が少なくなっています。唾液には、食べ物を消化して食べカスを洗い流し、細菌が増えるのを防ぐ作用がありますが、乾いていると細菌が繁殖して口臭の原因になります。水分を取り、口の中が乾燥しないように気をつけましょう。 |
| 虫歯 | 穴のあいた部分に食べ物のカスがたまり、そこに細菌が付着・繁殖をし、口臭の原因になります。 |
| 病気にかかっている(風邪・鼻づまり・発熱・口内炎など) | 口腔内の免疫力が低下し、口臭がします。 |
Q4. 歯ぐきマッサージってなに?
歯が生えはじめるときは、歯ぐきがムズムズしてしまうので、不快感を軽減させるためのマッサージです。歯ぐきマッサージで早めのお手入れをしておくと、歯みがきに慣れるトレーニングにもなります。
【歯ぐきマッサージの方法】
マッサージの前には、ママ自身の手をしっかり洗って、清潔な手でマッサージしましょう。
あかちゃんの歯専用のお手入れシートをママの人差し指に巻き、指のはらでやさしくぬぐいましょう。
※うがいができないあかちゃんは、あかちゃんの歯専用のシートなどで歯や歯ぐきをやさしく拭き取りましょう。
Q5. 寝てしまったら歯のお手入れはどうしたらいい?
寝てしまって起こしたくないというママは多いかと思いますが、虫歯になりやすいのは唾液の分泌が低下している睡眠中です。あかちゃんが虫歯になる可能性を考えて、できる限り拭いてあげてください。
Q6. 歯の色が気になるのだけど…
歯の色には個人差がありますが、気になった場合は、必ず歯科医での診療を受けてください。
また、歯の色素沈着で考えられる要因には、次のようなものがあります。
- 初期段階の虫歯ができている。
- 歯の表面に食品やお茶などが由来の細菌色素がついてしまっている。
- 転んだりして、硬いものに歯をぶつけた場合、歯の神経が死んでしまい、不透明に黒ずんでしまっている。
- 歯の表面にあるエナメル質が、なんらかの原因でうまく作れず、歯にくぼんだ部分があったり茶色がかったりする。
Q7. あかちゃんの歯に関して困ったらどこで診てもらえばいいの?
小児歯科で診てもらいましょう。
お近くに小児歯科がなければ一般の歯科に相談してみましょう。
【『「あかちゃんの歯」に関するママたちの疑問にお答えします!』/監修】
医療法人葵鐘会 歯科部長 近藤 千裕 先生
ロイヤルベルクリニック(名古屋市緑区)およびエンジェルベルホスピタル(岡崎市)でマタニティ歯科・小児歯科を担当し、産科と連携して口腔管理を行っています。
※取材時点の情報です。
