妊娠・出産によるマイナートラブルもお任せ!
女性リハビリの専門家
理学療法士 近藤先生にママの疑問を聞きました!
理学療法とは?
あかちゃんから高齢者まで、病気・ケガなどで運動機能が低下した人に対して、基本的動作能力を回復させるために治療体操などを行わせ、マッサージなどの物理的手段を加える治療法です。
理学療法士とは?
国家資格を持った「体づくり」と「生活動作」の専門家です。
妊娠~出産、あかちゃんにも理学療法?
妊娠・出産も体に大きな負担がかかり、個人差はありますが運動機能が低下します。
理学療法では、妊娠中や出産後の腰痛、肩こりや尿モレなどのトラブル改善、帝王切開後のリハビリテーション、骨盤を含めた全身調整を行うことができます。また、発達にリスクを持つ新生児のリハビリテーションも理学療法士が実施しています。
妊娠~育児環境の先進国ともいわれるフランスでは、出産後の専門療法士による体ケアが10回も保険で保障されているほど、産後のママのケアは重要です。
妊娠・出産も含めた、女性に特化した分野を扱う理学療法が「ウィメンズヘルス理学療法」です。気になった方は「ウィメンズヘルス」「理学療法士」でお近くの専門理学療法士を探してみてください。
妊娠中~出産後の骨盤ケアなどで、気を付けたりできたりすることはありますか?
妊娠中も出産後も、骨盤をゆがませたり腰や恥骨に負荷のかかったりするような姿勢や動作をしないように気をつけましょう!
注意する姿勢・動作
妊娠中、おなかが重たくて後ろに反って立つ
(背中上部に負担がかかり、痛みが出ることも)
まっすぐな立ち姿勢を心がけましょう!
壁やソファにもたれて座る
(骨盤が倒れてしまい、負担がかかっています)
骨盤を立てるイメージで座りましょう!
★タオルをたたんで幅半分をお尻の後ろ半分にはさむと、骨盤と筋肉を下から支えられるので、骨盤を立てた状態で安定して楽ですよ。
片足を立てて立ち上がる
(恥骨の靭帯に負担がかかり、恥骨痛が悪化します)
机などに手をつき、両足で立ちあがります。恥骨の靭帯に負荷を与えないよう、足を開く体勢階(段・大股・開足など)を控えましょう。
骨盤がゆがむ寝相 : 横向きで足を交差する
(足を組んでいるのと同じく骨盤をゆがませた状態)
横向きで寝るときは、上になる方の足が足先まで骨盤と同じ高さになるように、足先まで抱き枕に乗せるよう心がけましょう。
産後の骨盤ケアは骨盤ベルトだけをしていればいいですか?
骨盤ベルトは、出産でゆるんだ骨盤が元に戻るまで骨盤をサポートし、ゆがまないようにするための商品です。
妊娠・出産が原因で、出産後は骨盤を支えているまわりの筋肉が衰えます。ベルトをするだけでは筋肉は回復しませんので、出産後に骨盤まわりの筋肉を無理のない程度に鍛えて回復させましょう!
産後すぐからはじめる!かんたん産後体操
出産後、入院中のベッドの上でもできる、かんたんな産後体操です。体の回復が最優先ですが、無理をせずに少しずつ筋肉も回復させていきましょう!
※帝王切開後のママは傷や体の回復を優先し、医師に体操を行っていいか確認してから行ってください。
Ⅰ.骨盤まわりと骨盤底筋
- 仰向けに寝て、足を曲げて足を腰幅位まで開きます。
- おなかに力をいれないように注意しながら、「は~」と窓ガラスをくもらせるように、ゆっくり長く胸の方まで息を吐きます。
- 2 と同時に、膣をおなかの上の方に引き上げるように引き締めます。
運動量目安 : 1日に10回×3~5セット
Ⅱ.骨盤まわりとお尻の筋肉
- 立って、お尻に両手をあてます。
- 手でお尻の筋肉が動くのを感じながら、お尻の穴を閉じるようにお尻の筋肉を引き締めます。
運動量目安 : 1日に10回×3セット
妊娠中~出産後の骨盤ベルトはどんなものがいいですか?
幅の狭い骨盤ベルトが好ましいです。幅が広い骨盤ベルトは脚の付け根まで締めてしまい、その状態で動くと脚の付け根に炎症を起こすこともあります。 強く締めつけても効果が上がるものではありませんので、心地いいと感じる程度に締められるベルトを選んでください。長時間着用して座ったり立ったりしても、着け心地がよく伸縮性のあるものがいいですね。また、出産前や出産直後に着用する場合は、大きなおなかに食いこみにくい形状・素材のベルトがおすすめです。